2025.03.24
クリニック奮闘記
Vol.868 平均データに惑わされないように
先生方からはレセプト単価に関する内容が多く寄せられます。
・地域の平均単価と比べて低い
・コンサル会社から提示されたデータと比べて低い
・会計事務所から提示されたデータと比べて低い
背景にはこんなことがあるようです。では、それぞれのデータにどれ程の信ぴょう性があるのでしょうか。
まず、ネット情報は信用できないと思ってください。
出所の明らかではないデータは使えません。自社調査というのも論外です。そもそも統計学的にn数が足りていない様なデータも少なくありません。
コンサル会社や会計事務所のクライアントの平均値は高く出る傾向があります。外部に経営サポートを依頼するくらいなので収益力の高いクリニックが集まっているのです。全体の中でも上澄みのそうであると考えて下さい。
またデータの精度にも問題があります。
院外処方と院内処方を一紙にしたデータであって、院内処方率が高ければ結果として平均値は高くなります。これは地域性に影響されます。
他院と比べて明らかに低いということがあれば、精査する必要があるかもしれませんが、数%の範囲であれば誤差であると考えられるかもしれません。ご心配がある場合は、レセプト精度調査をしてみてください。
算定ミスはあるかもしれませんが、算定に当たっての方針に問題があるケースは稀にしかありません。
医療事務スタッフに任せすぎて、内容のチェックができていないということのないようにはしてください。初歩的なミスが何年にもわたって続いていることもあります。
先生方がすべきことは、
①診療方針を明確にすること 必要な検査等は行わないが、適切な頻度でフォローをすること
②方針に沿った診療スタイルの定期的なフォローアップ(スケジュール化によって進捗管理する)
③業務の標準化によりスタッフの業務品質が客観的に把握できること
自院でやるべきことに集中し、外部データに一喜一憂しないことです。