2025.04.14
クリニック奮闘記
Vol.883 クリニックのガバナンス
企業のガバナンス問題がマスコミで取り上げられるようになりました。
その多くが不祥事に関係する内容ですが、経営を上手くハンドリングするのがガバナンス(企業統治)です。
クリニックには関係ないよ、という声が聞こえてきますが、かみ砕いて言うと、『院内ルール』の運用です。
就業規則、服務規律などが該当します。作成しているクリニックは少なくないかと思いますが、作りっぱなしになっていないでしょうか。
また、独自ルールでの運用をしていることはないでしょうか。
規則(ルール)というものは直面している問題(事象)に対して、誰もが同じ対応で臨むことができるようにするものです。
その時々で、独自の解釈で運用を変えるというのはもってのほかで、これこそが、『ガバナンスが効いていない状態』といえます。
院長先生が全ての業務において目を光らすことができている間は、院長先生の自分ルールでマネジメントできますが、スタッフが増えてくると問題は簡単ではありません。
例えば、整形外科クリニックでは、看護師、PT、OT、放射線技師、医療事務という多様な職種が存在します。仕事の内容も立場も全くことなる人の集団です。
お互いの立場を主張し合うと収拾がつかなくなります。
部門内での問題の取り扱い、部門間での問題の対処の仕方を取り決めておかないとセクショナリズムができてしまう原因にもなります。
文書化されていない慣習的なもの、こういったものがクリニックにはありますが、これらすべてを含めて運用ルールの見直しをしてみましょう。
開業時に作成した就業規則も、10年も経つと実態とかけ離れているかもしれません。規則が実体に即したものに改変し、ルールがルール通りに運用できることで、院内の統治機能(ガバナンス)を高めていきましょう。