Vol.898 経営戦略の見直しと収益の多様化

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クリニック奮闘記

2025.04.28

クリニック奮闘記

Vol.898 経営戦略の見直しと収益の多様化

1. 背景

現在、多くのクリニックでは保険診療への依存が経営上のリスクとなっています。診療報酬改定による収入減少、患者数の伸び悩み、人件費や物価の上昇により、保険診療だけでは経営が苦しくなるケースが増えています。

2. 経営戦略の見直しの方向性

① 収益源の多様化

保険診療に加え、次の分野への参入が有力です。

  • 自費診療

    • 巻き爪治療、AGA治療、ピル処方、禁煙外来など

  • 予防医療

    • 健康診断、人間ドック、ワクチン接種(インフルエンザ・帯状疱疹など)

  • 美容医療

    • 医療脱毛、しみ・しわ治療、スキンケアプログラム

  • サブスクリプション型サービス

    • 月額制健康サポートプラン(食事指導、血液検査パッケージなど)

② コスト管理の強化

  • 人件費の適正化(業務の効率化、IT活用)

  • 家賃や水道光熱費の見直し(立地の適正評価、サブリースの活用)

  • 医療機器のリース・中古活用などによる初期投資抑制

3. その他の注意点

■ ターゲットの明確化

  • どの層(若年層、女性、高齢者など)をターゲットにするかを明確にし、サービスを設計する。

  • 特に自費・美容系はターゲットを絞ったほうがブランディングしやすい。

■ マーケティング戦略の整備

  • SNS運用、ホームページ改善、Googleマップ対策(MEO)

  • 口コミ管理と患者満足度向上

■ 法規制・リスク管理

  • 自費診療・美容医療では、広告規制や医師法との整合性に注意。

  • 施術リスク、クレーム対応の体制整備も必要。

■ スタッフ教育と体制づくり

  • 新しい診療メニューに合わせたスタッフの接遇・セールストレーニング。

  • 特に美容医療ではスタッフの説明力が収益に直結するため重要。

■ キャッシュフロー管理

  • 新しい収益源が軌道に乗るまでに時間がかかるため、十分な運転資金確保が必要。

  • 項目基本方針
    収益多様化 保険診療+自費・予防・美容等
    コスト管理 固定費の最適化、変動費コントロール
    ブランド力強化 ターゲット設定、情報発信強化
    法令遵守とリスク対応 トラブル未然防止と迅速対応
    スタッフ体制 教育・モチベーション管理