2025.05.19
クリニック奮闘記
Vol.901 外来と在宅の両立に悩む内科診療所の挑戦
― 開業10年目の分岐点とレセプト業務の最適化 ―
大阪府のとある住宅街に、開業して10年を迎える**「いしばし内科クリニック」**がある。
テナントの一角に構えるその診療所は、周辺住民にとっての"かかりつけ医"として親しまれてきた。
第1章:開業当初の苦悩と地道な診療
10年前、開業当初の状況は決して楽なものではなかった。
「立地は悪くない。人口密度もある。それでも、患者は来ない...」
そう悩んでいた石橋院長は、一時は診療所の売却まで考えた。
それでも、毎日毎日、一人ひとりの患者に真摯に向き合う診療を重ねていった。
すると、少しずつ地域の信頼を得て、患者数はじわじわと増加。今では一日50人を超える患者が訪れるようになった。
第2章:再会と、始まりのサイン
そんなある日、かつてよく通っていた80代の女性患者から連絡があった。
「先生、最近足腰が弱ってね。家に来て診てもらうことってできるのかしら...」
かつて外来で診ていた患者が、今度は在宅医療を必要とするようになったのだ。
その相談をきっかけに、少しずつ在宅診療の依頼が増えていった。
今では20人を超える在宅患者を抱えるまでに。
第3章:外来と在宅の両立の壁
一方で、問題も出てきた。
「これでは外来が手薄になる。どうにか外来を守らないと...」
そう思った院長は、非常勤の医師を雇い、外来を任せる体制に切り替えた。
しかし、想定外の事態が起きる。
「先生がいないのなら、行くのをやめようかしら」
「新しい先生、話をちゃんと聞いてくれなくて...」
口コミが影響し、来院患者が減少傾向に転じたのだ。
第4章:時間を奪われる院長、疲弊する経営
一方、在宅診療は好評で、地域のケアマネや訪問看護ステーションからも依頼が相次いでいた。
それに応えるべく、院長は毎日夕方から訪問に回る。昼間は外来を見ながら、合間に指示書を作成。
月末のレセプト業務では、深夜までパソコンの前に座る日もある。
「このままでは、自分が倒れてしまう...」
クリニックは好評なのに、なぜか院長自身が追い詰められていた。
第5章:経営を見直すという選択肢
「もしかすると、今の体制自体を見直すべきかもしれない」
そう感じた院長は、クリニック経営の全体最適を意識し始めた。
現状の問題点を整理すると――
問題点 | 内容 |
---|---|
① 外来と在宅の両立が困難 | 院長の時間が物理的に足りない |
② 非常勤医師のミスマッチ | 医師の質と患者満足度が一致しない |
③ 医療事務が逼迫 | レセプト・指示書・各種書類が院長の負担に |
④ 経営数値の把握不足 | 採算性や時間単価の分析ができていない |
第6章:改善策と優先順位
院長はまず、以下のように優先順位を整理した。
【優先順位と改善策】
-
レセプト業務の外注
→ 訪問診療が増える中、レセプトの返戻リスクが高まっていた。
→ 医療事務の負荷軽減と、算定の精度向上が急務。 -
外来診療体制の再設計
→ 単に"医師を雇う"ではなく、患者との相性重視の採用・教育体制へ。
→ 一部曜日の予約制導入、オンライン診療の併用も検討。 -
訪問診療のチーム化
→ 訪問看護師やMSWと連携したチーム医療の構築。
→ 書類業務の一部を外部に委託。
第7章:見えてきた次の課題と行動修正
改善に取り組む中で、新たな課題も見えてきた。
新たな問題点 | 修正案 |
---|---|
レセプトの伝達ミス | クラウド型レセプトシステムでカルテと連携 |
書類業務の属人化 | 書類代行サービスや診療補助スタッフの導入 |
経営指標の不透明さ | 月次収支分析・在宅1件あたり単価の把握を行う |
第8章:外来と訪問の「両立」をどう形にするか
クリニックにとって、外来診療と訪問診療の両立は今後の大きな経営課題である。
以下のようなオペレーション設計が考えられる。
【外来×在宅の両立オペレーション案】
項目 | オペレーション |
---|---|
外来 | 午前中を中心に常勤医1名で運用。完全予約制を一部導入。 |
在宅 | 午後訪問に集中。事前ルート設計とタイムマネジメント徹底。 |
書類 | レセプト・指示書は外注。記録は音声入力やクラウド共有。 |
経営 | 月1回、経営会議でKPI(患者数、返戻率、残業時間等)確認。 |
最後に:レセプト業務を手放すという判断
「自分じゃなくてもできる仕事を、誰かに任せよう。」
石橋院長はそう決意し、レセプト請求業務を外注することで、
自身は"医師としての役割"と"経営者としての判断"に集中する時間を手に入れた。
✨レセプト請求業務の外注で、経営の余白が生まれる
在宅診療と外来の両立に悩む多くの院長先生にとって、
レセプト業務の代行は、時間と安全性の両面で強い味方になります。
✅ レセプト返戻のリスク管理
✅ 医師・スタッフの残業削減
✅ 書類業務の効率化と質の向上
――こうした経営課題に、当社のレセプト請求代行サービスが貢献します。