2025.06.02
クリニック奮闘記
Vol.914 見逃せない!レセプト請求ミスが経営に与えるダメージと改善策
● 診療しているのに、請求できていない!?
ある皮膚科クリニックで実際にあった事例です。診療も処置も行っているのに、レセプトでは請求が漏れていた項目が多数見つかりました。
たとえば:
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イボ処置を行ったのに算定漏れ
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薬剤の併用で本来加算できる点数をスルー
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慢性疾患指導料の算定漏れ
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傷病名の記載漏れにより請求が無効に
これらはすべて収益ロスにつながるミスであり、「やっているのに、請求できていない」という最ももったいないパターンです。
● レセプトミスの主な原因
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電子カルテとレセプトソフトの操作ミス
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傷病名や併算定ルールへの理解不足
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月末の業務過多によるヒューマンエラー
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新人スタッフの独自判断による入力不備
特に保険診療は「算定ルールに基づく証明型報酬制度」であり、ミスをすれば即収益減に直結する構造になっています。
● ミスを防ぐための仕組みと習慣づくり
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ダブルチェック体制の構築
1人が入力、もう1人が点検する流れを月初のルーチンに -
毎月の「算定見直し会議」の実施
査定事例や新ルールについて情報共有を習慣化 -
電子カルテの入力テンプレート活用
処置や投薬に応じた自動入力やアラート設定
● 外部支援による「ミスの見える化」と「再発防止」
当社の代行サービスでは、過去6ヶ月分のレセプト内容を分析し、傾向や誤りを見える化するフィードバックレポートを提供しています。
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本来算定できる点数の抜けを指摘
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傷病名の不足による査定傾向の見直し
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レセプト提出前に問題点を共有して改善提案
これにより、今月だけでなく次月以降の質向上と収益安定に貢献します。
● まとめ:点数を「取りこぼさない」体制が利益を守る
クリニック経営は、毎月の収益の積み重ねです。
たった数件のミスであっても、年間で数十万円〜百万円以上の収入減に直結します。
だからこそ、「取りこぼさない仕組み」=チェック体制+スタッフ教育+外部支援の三位一体で、日々の請求業務を磨き上げていくことが重要です。