2025.06.02
クリニック奮闘記
Vol.916 クリニックの人材不足を乗り越える!スタッフの生産性を最大化する5つの施策
● 生産性向上=「時間あたりの付加価値」の最大化
「うちはみんな忙しく働いてるから大丈夫」と感じている院長ほど、注意が必要です。"忙しさ"と"生産性"はまったく別物です。
生産性とは、「限られた時間・人員でどれだけ付加価値を生み出せるか」。同じ1時間を使っても、無駄な電話対応や書類探しに追われているスタッフと、スムーズに患者対応できているスタッフでは、価値創出に大きな差が出ます。
● 生産性を高めるための5つの施策
1. 業務マニュアルの整備と標準化
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「誰でも同じクオリティで業務ができる」ことが理想
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新人が入ってもすぐに現場に馴染める環境づくりが必要
2. ITシステムの最適化
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電子カルテと予約システム、レセプトソフトの連携を強化
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紙ベースの運用を見直し、情報の一元管理を実現
3. 書類業務のテンプレート化と自動化
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よくある診断書、紹介状はテンプレートを用意
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印刷・手書き・スキャンなどの二重業務を削減
4. 適材適所の人員配置
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コミュニケーションが得意なスタッフは受付に
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正確性が高い人にはレセプトチェックを担当させる
5. レセプト・電話対応などの外注化
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専門業務は外注し、スタッフは対人業務に集中できる環境へ
● 現場でよくある「非効率」の具体例と解決策
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看護師が電話応対までしており、処置が遅れる
→ コールセンター導入(自動応対システムの導入)で解決 -
同じ問診票を何度も印刷してコピーしている
→ 電子問診導入でペーパーレス化 -
レセプト業務が属人化し、休むと業務停止
→ 外注+業務フローの見直し
● 外注化でスタッフが"本来の役割"に集中できる体制を構築
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医療事務がレセプト業務から解放され、受付対応の質が向上
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看護師が事務作業から解放され、処置や患者指導に集中
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院長が現場の細かい確認業務から解放され、診療の質に専念
● 成功事例:週1勤務のベテラン看護師の離職を防いだ事例
ある内科クリニックでは、ベテラン看護師が電話対応や雑務に追われ、離職を検討。業務を整理し、電話応対とレセプト業務を外注化することで、看護師が処置に専念できるようになり、離職を防止。結果的に患者満足度も向上し、リピート率が20%アップした。