Vol.926 耳鼻科・眼科・皮膚科のブランディング事例 ~診療科目別に見る差別化戦略~

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クリニック奮闘記

2025.06.16

クリニック奮闘記

Vol.926 耳鼻科・眼科・皮膚科のブランディング事例 ~診療科目別に見る差別化戦略~

■はじめに 耳鼻咽喉科、眼科、皮膚科は、いずれも一般診療での来院頻度が高く、地域密着型クリニックとして患者数を確保しやすい一方で、「どこも似たような診療内容」と受け取られやすく、差別化が難しい分野でもあります。

■事例①:郊外の耳鼻咽喉科クリニック(大阪府)

【課題】 ・季節変動が激しく、花粉症・風邪の時期以外は患者数が減少。 ・「耳鼻科=待ち時間が長い」という悪印象が強く、リピート率が伸び悩む。

【施策】 1.予約システムの完全導入とWeb受付の強化。 2.「待たせない耳鼻科」をテーマに掲げ、短時間診療の工夫や院内導線の見直し。 3.「アレルギー治療の専門耳鼻科」としての特化ページをWebサイト内に新設。 4.地域の保育園や小学校向けに「耳・鼻・喉の健康教室」を実施し、知名度と信頼性を向上。

【結果】 ・オンライン予約比率が8割を超え、待ち時間に対する不満が激減。 ・アレルギー専門外来の認知が広がり、リピーター比率が向上。 ・レセプト件数が安定し、季節変動リスクが緩和。


■事例②:都市型の眼科クリニック(東京都)

【課題】 ・ビル診療所が密集するエリアでの差別化が困難。 ・若年層や中高年層の受診動機が乏しい。

【施策】 1.「ビジネスマン向けのスマホ眼精疲労外来」創設。 2.視覚的に疲れを測るデバイスを導入し、院内での体験価値を向上。 3.Webサイトを刷新し、「眼精疲労」「ドライアイ」「視力回復トレーニング」などのコンテンツをSEO強化。 4.眼科専門SNS(Instagram)を通じた情報発信で、来院動機づけを強化。

【結果】 ・20代~40代の男性患者の比率が大幅増。 ・平日夜の受診者数が増加し、時間帯別の収益バランスが改善。 ・スマホ眼精疲労に関するページが検索上位を獲得。


■事例③:地域密着型の皮膚科クリニック(福岡県)

【課題】 ・診療内容が「ただの湿疹・かゆみ対応」であると誤解されやすく、他院との違いが見えにくい。 ・自由診療の訴求がうまくいっていなかった。

【施策】 1.「敏感肌・アトピー専門クリニック」としての再ブランディング。 2.カウンセリング型診療(20分枠)と自由診療メニュー(保湿ケア、ピーリング等)のパッケージ化。 3.ブログで「皮膚科 ブランディング」「アトピー 皮膚科 福岡」などのSEO記事を定期発信。 4.口コミを活用した「体験レビュー特集」をWebページに掲載。

【結果】 ・自由診療の比率が15%→30%に上昇。 ・「丁寧に話を聞いてもらえる皮膚科」として地域に定着。 ・SNS経由での新患問い合わせが月平均50件を超えるように。


■まとめ 耳鼻科、眼科、皮膚科はいずれも"専門性の見える化"と"患者視点のサービス設計"がブランディングの鍵です。「どこにでもあるクリニック」ではなく、「あそこに行こう」と思わせる仕掛けこそが、現代のクリニック経営の本質です。ブランディングを通じて、選ばれるクリニックを目指しましょう。