vol.1001 患者に届ける力!診療理念と個人の考え方の融合

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クリニック奮闘記

2025.09.29

クリニック奮闘記

vol.1001 患者に届ける力!診療理念と個人の考え方の融合

クリニックで働くうえで重要なのは、「診療理念」と「スタッフ個人の考え方」をどう結びつけるかです。理念は院長や経営者が掲げるだけの言葉ではなく、スタッフ一人ひとりの行動や判断の基準になるべきものです。しかし、現実には理念と個人の価値観がうまく重ならず、形だけのスローガンになってしまうこともあります。

ユニクロの柳井正社長は「理念やビジョンは単なる言葉ではなく、現場での意思決定の基準でなければならない」と語っています。これはクリニックにおいても同じで、理念と個人の考えが交わるところに、本当の力が生まれるのです。


1. 診療理念は「羅針盤」である

診療理念は、クリニックがどの方向を目指すのかを示す羅針盤のような存在です。例えば、「地域に根ざした安心できる医療を提供する」という理念があるとします。その理念は、患者対応で迷ったときに「この行動は患者さんに安心感を与えるだろうか」と考える基準となります。

柳井社長は「理念がなければ人も組織も迷走する」と強調しています。スタッフが日々の業務に追われているときこそ、理念が道しるべとなり、判断を支えるのです。


2. 個人の価値観との接点を見つける

理念は上から押し付けられるものではありません。大切なのは、スタッフ一人ひとりが自分自身の価値観と重なる部分を見出すことです。例えば、看護師が「患者さんに寄り添いたい」という思いを持っているとき、その気持ちは「安心できる医療を提供する」という理念と強く結びつきます。事務スタッフであれば「患者さんに不安なく通ってもらいたい」という価値観が理念とリンクします。

柳井社長は「個人の思いと会社の理念が重なったとき、最大のエネルギーが生まれる」と述べています。クリニックでも同じで、理念をスタッフ自身の言葉に翻訳するプロセスが欠かせません。


3. 理念を日常の行動に落とし込む

理念は抽象的なままでは力を発揮しません。「地域に根ざす」とは具体的に何を意味するのか?「安心できる医療」とはどのような対応を指すのか?これをスタッフ一人ひとりが行動に落とし込むことで、理念が生きたものになります。

例えば、受付スタッフなら「患者さんが迷わないように、最初に笑顔で声をかける」。看護師なら「処置前に必ず一言説明して、不安を取り除く」。リハビリスタッフなら「患者さんの生活背景を聞き取り、家庭でできる工夫を一緒に考える」。こうした日々の行動が積み重なって、理念が現実のものになるのです。


4. 理念は変化に耐える土台となる

医療現場は常に変化にさらされています。診療報酬の改定、新型感染症の流行、患者ニーズの多様化。こうした変化の中で、理念がしっかり根付いていれば、柔軟に対応しながらも一貫性を保てます。

柳井社長は「理念は変えてはいけないが、やり方は常に変えなければならない」と語ります。クリニックでも、理念という土台を持つことで、時代や状況に合わせた柔軟な対応が可能になります。理念と個人の考え方の融合は、この変化対応力を高める意味でも重要なのです。


5. 理念を共有する文化を育む

理念と個人の考え方を融合させるには、理念を「語り合う文化」が不可欠です。朝礼やミーティングの中で理念を確認する、患者さんからの感謝の声を理念と結びつけて共有する、スタッフの取り組みを理念に照らして称賛する。こうした取り組みを通じて、理念は単なる言葉ではなく、日常の中で息づくものになります。

柳井社長は「理念を共有できない組織は崩壊する」とまで断言しています。クリニックでも、理念を共通言語とする文化が根付けば、スタッフ間の連携が強まり、患者さんにとっても一貫性のある安心した医療サービスを提供できるのです。


まとめ

診療理念と個人の考え方が融合するとき、クリニックは最も強い力を発揮します。理念は羅針盤であり、個人の価値観と交わることで日常の行動に落とし込まれます。そして、それが変化に強い組織をつくります。柳井正社長の言葉を借りれば「理念は現場で生きてこそ意味がある」。クリニックスタッフ一人ひとりが理念を自分の言葉で語れるようになったとき、クリニックは真に患者さんから信頼される存在になるでしょう。