vol.1014 クリニックM&Aにおける財務だけでは見えないリスク

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クリニック奮闘記

2025.10.20

クリニック奮闘記

vol.1014 クリニックM&Aにおける財務だけでは見えないリスク

クリニックのM&A(事業承継・売却)において、多くの買い手は財務諸表や決算書の内容を中心にデューデリジェンス(DD)を行います。売上や利益、固定費やキャッシュフローといった財務データは、確かに経営状況を把握する上で重要な情報です。しかし、財務データだけでは見えないリスクが存在することをご存知でしょうか。それが、「レセプト請求データ」に関わるリスクです。


財務だけでは見えないリスク

クリニックの財務諸表は、過去の経営成績を示す指標として有効ですが、実際の診療報酬請求の正確性や診療内容の偏りを示すものではありません。例えば、決算書上では収益が安定しているように見えても、返戻や減点が多発しているケースでは、将来的なキャッシュフローに大きな影響を及ぼす可能性があります。

  • 返戻・減点リスク:保険請求に不備があると、後日返戻や減点が発生します。財務諸表では過去分しか反映されず、潜在的リスクは見えません。

  • 請求漏れ:実際に行った診療が請求されていない場合、潜在的な売上損失が存在します。

  • 診療報酬の偏り:特定の診療科や処置に収益が偏っている場合、制度変更や報酬改定で収益構造が大きく変動するリスクがあります。


レセプトデータ精査の必要性

レセプトデータには、クリニックがどの診療にどの程度注力しているか、返戻や減点の頻度、請求漏れの有無などが具体的に記録されています。これを精査することで、以下のような情報を可視化できます。

  1. 収益性の正確な把握
    診療報酬の算定ミスや返戻状況を確認することで、財務諸表上では見えなかった本当の収益を把握できます。

  2. M&A後のリスク予測
    返戻・減点リスクや請求漏れの影響を数値化することで、M&A契約条件の調整や買収価格の交渉に活用できます。

  3. 経営改善の方向性の提示
    レセプトデータから、業務プロセスの改善点や人員配置の最適化ポイントが明確になります。


当社の強み:レセプト請求代行による精査

当社メディカルタクトでは、クリニックのレセプト請求代行サービスを提供しており、単なる代行業務に留まらず、精査によるリスク評価を行うことが可能です。具体的には以下のサービスを通じて、M&Aの意思決定をサポートしています。

  • 返戻・減点の分析:過去の返戻傾向を分析し、潜在的リスクを洗い出します。

  • 請求漏れチェック:診療記録と請求データを突合することで、売上未計上の診療を発見します。

  • 収益構造の可視化:診療科目別、処置別に収益構造を把握し、M&A後の経営計画に反映可能です。

これにより、買い手は安心して投資判断を行うことができ、売り手もM&A契約時に信用力を高めることができます。


財務+レセプト精査で初めて見える「本当の価値」

財務諸表だけでは分からないリスクを把握することは、M&A成功の鍵です。特にクリニックM&Aにおいては、医療報酬請求の正確性が事業価値に直結します。レセプトデューデリジェンスを行うことで、以下のようなメリットが得られます。

  • 買い手側の安心感:返戻・減点リスクを事前に把握可能。

  • 売り手側の信頼度向上:正確な請求実績を提示することで、交渉力がアップ。

  • M&A後のスムーズな経営統合:精査済みデータに基づく改善計画を立案可能。


まとめ

クリニックM&Aにおいて、財務諸表だけを見て判断することは、潜在的リスクを見落とす大きな原因となります。レセプトデータの精査は、将来の収益性、返戻リスク、経営改善の方向性を把握するために不可欠です。当社のレセプト請求代行サービスを活用すれば、M&Aにおける安心・安全な意思決定が可能となります。