2018.01.29
Vol.60 住宅ローンがあると開業できない?
住宅ローンを抱えているために、開業を躊躇するドクターがいらっしゃいます。
新規開業のための事業資金の融資が受けられないと考えられているのですが、結論から言いますと、事
業融資は受けられます。金融機関は住宅ローンと事業ローンは切り分けて考えているのです。
むしろ借入があったとしても不動産を所有していることがプラスに働くこともあります。
例えば、時価が5000万円の自宅に住宅ローンが3000万円しかついていない場合、差額の2000万円部分につ
いては事業融資の際に担保供与できます。
不動産担保を供与することができる場合、無担保と比べると有担保の方が金利や返済期間の設定が有利に
なるのです。
既に他行の抵当権が付いているので担保価値がないと諦める前に、金融機関に相談してみましょう。
2番抵当でも有担保で引き受けてくれる可能性があります。
購入価格いっぱいに住宅ローンが設定されていて、事業資金の担保提供が難しい場合でも、交渉の余地が
残されています。住宅ローンを借り換えることを条件に、事業資金の借り入れ交渉をしてみましょう。
金融機関としては融資総額が増えますので、事業融資の増額、金利の引き下げと返済期間の延長などにつ
いて交渉する材料となります。
(まとめ)
殆どの人にとって住宅購入は一生に何度もない大きな買い物です。
借り入れをして購入した住宅は、多少の無理をしても一生懸命に返済をしようとしますので、金融機関に
とっては手堅い商売といえます。(低金利の昨今は、あまり収益を生む商品にはなっていませんが・・)
金利収入は少ないですが、返済が長期に渡りますので、その間のビジネスチャンスがある訳です。
またクリニックの場合は、一般的には開業後3年程度で安定し、その後のキャッシュフローは潤沢で、金融
商品の提案もあるでしょう。
医療器械は5年単位でリプレイスされ、自宅の買い替え、車の購入も頻回で、定期的な資金需要が見込まれ
るのです。
金融機関にとって、取っ掛かりは小さなビジネスかもしれませんが、30年のスパンで考えると、「超優良
顧客」になり得ます。
この様な事情がありますので、融資交渉は手持ちのカードを上手く使い、有利に進めていきましょう。
メディカルタクト 代表コンサルタント 柳 尚信
(参考)
大阪府医師信用組合「新規開業ローン」
http://www.odcu.co.jp/loan/kaigyou.php
Vol.14医療機器の導入はリースがいいの?
https://medical-takt.com/backnumber/2017/report48.html
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