2018.01.31
クリニック奮闘記
Vol.62 求人広告のツボ!ワーク・ライフバランスを考える
労働人口の減少は、全産業においても深刻な問題となっています。
医療業界もご多聞に漏れず、病院、クリニックでは十分な人員がなかなか確保できないという悩みを抱え
ています。
一方では、政府の「働き方改革」に後押しされる形で、働き方のニーズも多様化しています。
労働者環境に変化が求められている時代で、クリニックでは如何に対応していくべきかを考えてみたいと
思います。Aクリニックでは事務員と看護師が退職したことにより、採用活動を始めたところです。
ホームページへの掲載、ハローワーク、求人広告へ掲載し、後は応募を待つのみです。
では、採用活動の推移をみてみることにしましょう。
【Aクリニックの求人内容】
やりがいのある職場です!!
勤務時間 午前診 8:30~12:30(受付時間 9:00~12:00)
午後診15:30~19:30(受付時間16:00~19:00)
昼休憩時に往診(訪問診療)あり 別途手当支給
看護師 時間給●●●円~ 正社員 月額給与●●万円~ 訪問手当、待機手当あり
受付事務 時間給●●●円~ 正社員 月額給与●●万円~ レセプト経験者優遇
※勤務形態については相談に応じます。
1日の勤務時間を8時間とするために、正社員は早番と遅番に分けての勤務です。
早出( 8:30~17:30 休憩時間1時間)
遅出(10:30~19:30 休憩時間1時間)
広告掲載後1週間で、電話、メールでの問い合わせが看護師、事務それぞれ5件ずつあったものの応募に
は至っていません。A院長はこの状況を打破すべく、スタッフに意見を求めてみました。
A院長 「応募が全くないんだけど、求人内容に何か問題があるだろうか?」
スタッフB「電話での問い合わせでは、残業の有無の確認が多かったですね。19時30分終了で残業とな
ると、帰宅が遅くなるからという人がいました。」
スタッフC「午前勤務のスタートが8時30分というのも抵抗がある様です。看護師さんについては訪問診
療 を嫌がられる方もいらっしゃいました」
A院長 「確かにウチの勤務は、他所のクリニックと比べると勤務がハードかもしれないね。
でもその分、給料に反映させているのだけど、お金だけではモチベーションにならないのか
なぁ。」
(まとめ)
給料が高いということには、相当の理由があります。クリニックで相場よりも高い給料を出すのは、採用
を急いでいる場合もありますが、仕事の質と量が多いことが考えられます。(実際には暇なクリニックは
ないのですが・・・)
パートであっても正社員であっても、お金のために一生懸命働く人は少なくなっている様に思えます。
クリニックで働く女性スタッフは、帰宅後は家事労働が待っています。
男性の様に職場を離れれば全て終了ということにはなりません。
それゆえに、朝晩の30分の時間は大きな意味を持ちます。
苦肉の策ではありますが、Aクリニックでは、朝8時30分から9時00までの準備時間を当番制にするこ
とで、各人の負担軽減をすることにしました。
夜診帯については定額で手当を支給することでスタッフには我慢してもらいます。
さらに夜診帯に限ったスタッフ募集も行いました。
この場合の時間単価はかなり高いものとなっています。
最終的には給料面で対応しなければならない部分もありますが、ワーク・ライフバランスを考えた働き方
を希望する人が多いことも認識しておかなければなりません。
メディカルタクト 代表コンサルタント 柳 尚信
(参考)
厚生労働省「働き方改革の実現にむけて」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html
Vol.8 信頼しているスタッフが引っ越し、でも継続勤務してもらえることに
https://medical-takt.com/backnumber/2017/report42.html
Vol.29スタッフの離職がとまらない!
https://medical-takt.com/backnumber/2017/report76.html
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