Vol.92　スタッフ採用における選考基準

何処のクリニック（事業所）においても、「いい人」は採用したいもの。採用難だから誰でもいいという

訳にもいきません。看護師やＰＴ、検査技師などの有資格者の場合は、技術面のスキルの確認は必須で

す。先生方がクリニックで必要だと考えているスキルについて、個別に確認することはできます。事務ス

タッフであれば医療事務（レセプト請求）に関する知識や実務経験、一般的な事務処理能力などが必要な

スキルであると考えられます。

性格を含めた人物的な評価と仕事上のスキル評価の両面から、スタッフ採用の選考基準を考えてみたいと

思います。

 

整形外科のＢクリニックでは、スタッフの退職に伴い、求人広告を出すことにしました。

募集職種と人数は、看護師1名、医療事務スタッフ1名、ＰＴ1名の合計３名です。

求人には有料のネット広告と、無料のハローワークの求人を併用しました。1ケ月の応募期間を経て、それ

ぞれの職種で数名の応募があり、Ｂ院長はひとりひとりの履歴書に目を通していきました。

 

Ｂ院長「過去の職歴で、短期間で転職を繰り返している人は除外しよう。実務経験についての選考ポイン

              トは、面接で確認してみることにしよう。」

 

まず書類選考上の選考ポイントの一例をご紹介しましょう。（採用基準は個々の先生の考え方があると思

います）

・過去の職歴から、ある程度のキャリアを推測する

・短期間に転職を繰り返していないか

・履歴書の各項目欄が、きちんと埋められていること（ブランクがない）

・住所地、家族構成、年齢などの個人情報

・手書きの履歴書の場合、丁寧に書かれているか（文字の綺麗さではなく、丁寧さを重視）

 

応募が少ない場合は、全員を面接してもよいのですが、多い場合は上記の様な選考基準で絞り込んでみて

下さい。次に書類選考の合格者について、個々に質問事項を設定しておきましょう。人事考課は客観的事

実の積み重ねです。推測の域を出ない内容については、面接時に確認して不安材料を払拭しておくことを

お薦めします。

 

Ｂ院長「面接時には、実務経験を中心に聞いてみることにしよう。特に整形外科に必要なスキルが備わっ

              ているかどうかだな。それぞれの職種について確認したいのは、こんな感じかな？」

・看護師

レントゲンのポジショニング、注射（点滴）、創傷処置　

 

・ＰＴ

クラブ活動している学生へのアドバイスができること

併設するデイケアでパワーリハに積極的に取り組んでもらえこと

 

・医療事務スタッフ

医療事務（レセプト請求）の実務経験者であること。資格の有無にはこだわらない

自賠責等、保険会社への請求事務経験者

介護保険請求についても実務経験がある

 

（まとめ）

仕事のスキルについては、上記の様なチェック項目を選考基準にすればよいのですが、問題はパーソナリ

ティの部分です。

・他のメンバーと相性はどうか

・年齢構成に違和感はないか

・協調性はあるか

・向上心はあるか

・院長の診療理念を理解できているか

 

クリニックの人材像　＝　「仕事の能力」×「人格能力」　この式に当てはめて人物評定にてみてください。

 

メディカルタクト 代表コンサルタント　　柳　　尚信

 

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