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2018.04.17

Vol.116 スタッフの退職金を考えよう

日本では、3年勤務すれば退職金が支給されるという慣例があります。クリニックでも、その例に倣って退職金規定を設けている様ですが、勤続年数の短いクリニックでは、退職金といっても数十万程度であることが多いため手元資金で賄えて来ました。しかしながら、採用難の時代にあって、少しでも長く勤めてもらうということも考えなければなりません。そのために退職金制度の創設と、積立準備の必要性が高まってきました。クリニックの様な小規模事業所における退職金はどの様に考えればいいのでしょうか?具体的な商品を例に見ていきたいと思います。

 

スタッフ「この4月で勤続3年になるんですが、クリニックに退職金制度はあるんですか?」

 

A院長 「小さなクリニックだから、制度は考えてなかったよ。でも皆さんのためにも、退職金は制度とし 

               て考えることにするよ」

 

退職金の支給基準として、勤続3年は法律的に決められたことではなく、クリニックごとに任意に設定することができます。(社会慣行として3年と認知されています)

制度としてクリニックで運用するためには、退職金規定が必要ですが、その前に就業規則の作成から行います。退職金規定及び賃金規定は、就業規則に規定された内容を捕捉する規定として設けられます。個別性が強く、クリニック独自の就業規則が必要な場合は、社会保険労務士に作成依頼した方がいいですが、一般的なものはネット上で入手することができます。法律上の最低限の文言が具備されていれば、ひとまずOKとしておきましょう。いよいよ退職金規定の作成に入りますが、3年勤務以上で支給することで問題ないでしょう。一般的な退職金の算定は、基本給に勤続年数による掛け率を乗じることで算定しますが、必ずしも基本給をベースに考える必要はありません。第三者的にみて、公正な計算根拠があればいいでしょう。過去に支給実績がある場合は、そのスタッフの勤続年数や金額も参考に考えた方がいいでしょう。(具体的な精度設計については、コンサルレポートで紹介していきたいと思います【無料コンサルティングレポート】 https://medical-takt.com/mail.html )

 

この様にして退職金の総額が決定しますが、次に退職金ための積立について解説していきます。クリニックの様な小規模事業所で、よく利用されているものに『中小企業退職金共済』があります。毎月掛け金を積み立てることで、退職金支払いの際に備えるというもので、税務的には掛け金は全額経費としてしょりすることが可能です。実務的な利用方法としては、勤続年数など、一定の条件を満たすスタッフを加入対象とし、5000円から30,000円を任意に設定します。掛け金については、想定される退職金の支給金額の一部を補てんするという考え方になりますので、差額部分についてはクリニック内で内部留保しておかなければならないことに留意して下さい。これ以外では、民間の保険会社の福利厚生プランに退職金の積立商品があります。商品によっては税務上の取り扱いに注意しならないことと、メリットとデメリットの両面から十分に検討することをお薦めします。

 

(参考)

厚生労働省HP 中退共政策紹介

http://chutaikyo.taisyokukin.go.jp/ 

中小企業退職金共済 制度説明

http://chutaikyo.taisyokukin.go.jp/ 

 

 

メディカルタクト 代表コンサルタント  柳  尚信

 

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