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2018.09.12

Vol.218 電子カルテのチェック機能

現在の電子カルテの性能は、第三世代に突入しています。市場に投入された当初は、紙カルテの情報を電子媒体に変更するくらいの使い方が一般的でした。(第一世代) その後、レセプト機能を充実させて更に進化した電子カルテは、医療事務の効率化に大きく貢献しています。(第二世代) そして現在は外部ソフトに頼らなくてもチェック機能を内在し、単体で全ての医事業務が完結するレベルにまで到達しています。本稿では、電子カルテのチェック業務の一場面を覗いてみたいと思います。

 

一昔前の電子カルテには性能にバラツキがありました。それぞれが「尖がった機能」を誇っていました。過去カルテの閲覧が得意なもの、他の器機との連動が得意なもの、薬剤情報に特化したもの、レセプト機能に特化したものなど、各社のユーザーのニーズに応えるべく開発されてきた経緯があります。それが、現在は機能的には各社差がなくなり、違いと言えばインターフェイスの作り付け位になっています。では具体的にレセプトチェックについて検証してみましょう。

電子カルテメーカーからは、当初はレセプト全件をプリントアウトして、全件、目視で点検することを勧められます。開業当初の500枚程度の件数であれば人海戦術でできるボリュームですが、件数が増えてくると結構な大仕事になってしまいます。そこで電子カルテのチェック機能を活用していきます。基本的な不備(検査や処方薬に対する主病名漏れ)はアラート機能によりピックアップし、修正していきましょう。カルテメーカーによりチェック機能の作り方が若干異なるため、画一的なことは言えないのですが、これでチェック業務が完結するメーカーもありますが、一般的には、もう少しの工程が必要です。特定の検査や処方薬、処置薬に対しては医師コメントが必要です。保険病名だけでは請求が通りにくいものについてはコメントを付記していかなければなりません。そして、注意しなければならないのは、電子カルテのチェック機能では、アラート表示できない項目です。特殊な検査項目とエックス線検査に対する病名漏れ等については、アラート機能が働かないメーカーがあります。エックス線に関しては撮影部位が多岐に渡ることが理由なのですが、うっかりするとチェックを漏らしてしまします。これに対する対策は、レントゲン撮影を行った患者を全件検索の上、全件チェックするしかありません。整形外科の様に撮影件数の多いクリニックでは要注意の内容です。主病名漏れでレセプトが返戻されない様に注意して作業を行う必要があります。

 

(まとめ)

電子カルテの次の進化は、AI導入により自己判断ができる様になるでしょう。そうなればカルテ内容の自動補正や修正も可能になり、事務スタッフの知識レベルが問題にされなくなるでしょう。近い将来と言っても、5年位のスパンで考えておくべきで、事務スタッフ(窓口業務スタッフ)の行うべき業務の本質を、今ここで考えて頂きたいと思っています。

 

 

メディカルタクト 代表コンサルタント  柳  尚信

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