Vol.158 患者引継ぎの為の『不同意書』 

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2018.06.14

Vol.158 患者引継ぎの為の『不同意書』 

クリニックを事業承継(M&A)する場合、医療法人であればカルテ等の患者情報の引継ぎには何の問題も生じませんが、個人診療所となると事務的な手続きが必要になります。AクリニックからBクリニックへ事業承継される場合、全く別の医療機関となりますので、患者データに関する全ての情報は、本人の同意がなければ引継ぎすることはできません。しかし全ての患者から『同意書』を取り付けるのは、患者への説明も含めて混乱を招く恐れがあります。できるだけ穏便に、簡単に済ませるためには『不同意書』の形式を用いる方が無難です。

本稿では、実際に使用している『不同意書』のフォーマットをご紹介させて頂きますので、ご活用頂ければと思います。

 

不同意書のフォーマットは以下の通りです。著作権はフリーですので、ご自由にご活用下さい。

 

 メディカルタクト 代表コンサルタント  柳  尚信

 

 

受診中の患者様へ

 

【診療情報・試料等の引継ぎ及び利用させて頂くことに対する同意について】

 

■○○クリニックは、平成〇〇年〇〇月〇〇日を以って閉院しますが、同年〇〇月〇〇日よりリニューアルオープン致します。

内科を受診中の患者様について、新クリニック開設後も診療情報及び試料等を利用することの同意をお願いする次第です。

 

・診療情報とは、診療録(カルテ)、レントゲン写真や内視鏡写真、身体の写真などの画 像情報と血液検査、病理検査などの検査結果のことです。

・試料とは、臨床検査に用いた血液、尿など、診断のための生研(内視鏡などの際に組織 の一部を採取すること)組織、手術で切除した組織などです。

 

■上記の同意は患者様の自由意志によるものです。また一度、同意された後でも随時撤回できますが、原則として不同意の意思表示がない場合には、ご同意頂いたものとして診療情報・試料等を診療に使用させて頂きます。ご同意頂けない場合は、受付にお申し出頂き、不同意書にご署名の上ご提出ください。なお、ご同意頂けない場合であっても診療上の不利益を受けることは一切ありません。

 

■未成年者または同意・不同意のご判断が困難な患者様の場合には、代替的に意思決定ができる方にお願い致します。

 

■今後とも皆様に、より良い医療を提供するために、診療情報及び試料等を使用させて頂くことについての、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

                             平成〇〇年〇〇月〇〇日

 

                              〇〇クリニック

院長 敬白

 

診療情報・試料等の引継ぎ及び利用することについての不同意書

 

 私は、「診療情報・試料等の引継ぎ及び利用することについて」同意しません。

平成  年  月  日

 (本人氏名)                         

 (診察券番号)                        

 (代諾者氏名)                        

 (本人との関係)            

                               

記載上の留意事項

  1. 患者様ご本人による記載が可能であれば、ご本人が記入してください。

  2. 次のいずれかの場合、代諾者(保護者、後見人など)の方が記入してください。

  1. 未成年の場合

  2. 疾病等の理由により、ご本人による判断、記入が困難な場合

  1. 不同意書は、受付に提出してください。

 


職員記入欄(職員以外は記入しないでください)

 

指示書

 

上記、不同意書を受領しましたのでカルテに添付し、不同意患者リストに登録後、保管してください。

 

(受領日)平成  年  月  日

 

受領者)氏名          

 

 

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