Vol.159 対応を丸投げするスタッフ

メディカルタクト

お問合せ

クリニック奮闘記

backnumber

TOP >  クリニック奮闘記 >  Vol.159 対応を丸投げするスタッフ

バックナンバー

2018.06.15

Vol.159 対応を丸投げするスタッフ

企業であれば4月に新入社員として入社後、新人研修なるものが行われ、社会人のイロハを教え込まれます。ところが医療機関では一部の大病院を除いては、満足なスタッフ教育がなされていないのが現状です。友人同士では問題がないことでも、組織人としてはNGであることは多々あります。本稿では、医療機関(特にクリニック)におけるスタッフ教育の必要性について考えてみたいと思います。

 

ある病院の地域連携室から電話が入りました。

受付スタッフ「院長先生は、只今、診察中ですので掛けなおしてもらえますか?」

 

また、こんなこともありました。患者の家族からの問い合わせです。

受付スタッフ「院長も看護師も、今、手が離せませんので、後程、こちらからお掛けします。」

 

午前の診察の混雑が終わりかける頃、受付スタッフは、電話があったことを院長に報告しました。空き時間を使って、患者家族と病院の地域連携室への電話対応を終えたのですが、院長は憮然としています。一体どうしたというのでしょうか?

 

院長「今日の午前中の電話の件だけど、どちらも事務的な連絡だったよ。受付の対応で事足りると思うのだけど、相手に何時間も待たせることなかったのに。」

 

問題の本質は、受付スタッフが相手の要件を聞かなかったことにあります。まず相手の要件を聞くことで、自分がどの様に行動すべきかを判断をすべきでした。対応力に自信がなかったため、要件を聞かず院長に丸投げしてすることで責任回避をしてしまっています。こういう仕事の仕方をすればミスをする確率は下がりますが、個人の問題解決能力は一向にあがることがありません。結局は仕事のできる人に業務が集中し、クリニック内に忙しい人と暇な人が同居することになってしまいます。

(まとめ)

お役所仕事を揶揄する言い方の一つに『たらい回し』という言葉があります。業務を細かく細分化している弊害ではありますが、問題の"解決策"を求めている相手に対しては、最初に対応した人が最後まで責任をもって対応するのがサービス業の基本です。相手の言葉に耳を傾け、何をして欲しいのかを汲み取ります。その上で自分が対応できないことがわかれば、問題解決できる人を探して、その人に託しますが、解決するところまでは見届ける様にしましょう。大きな組織ではありません。クリニックの中で起こっている事案です。『我関せず』という無責任さは、組織における一番の害であると認識しなければなりません。

 

 メディカルタクト 代表コンサルタント  柳  尚信

 

◆労務管理 関連のバックナンバー◆

Vol.6前職の病院からスタッフを引き抜き

https://medical-takt.com/backnumber/2017/report40.html

Vol.8信頼しているスタッフが引っ越し、でも継続勤務してもらえることに

https://medical-takt.com/backnumber/2017/report42.html

Vol.29スタッフの離職がとまらない!

https://medical-takt.com/backnumber/2017/report76.html

Vol.57看護師の採用は難しい

https://medical-takt.com/backnumber/2018/report139.html

Vol.59退職は連鎖する

https://medical-takt.com/backnumber/2018/report141.html

Vol.62求人広告のツボ!ワークライフバランスを考える

https://medical-takt.com/backnumber/2018/report157.html

Vol.71採用難への対応

https://medical-takt.com/backnumber/2018/report209.html

Vol.89余裕はないけど採用しておいた方がいい?

https://medical-takt.com/backnumber/2018/report246.html

Vol.92 スタッフ採用における選考基準

https://medical-takt.com/backnumber/2018/report256.html

Vol.97  電子カルテじゃなく、患者に目配りしよう

https://medical-takt.com/backnumber/2018/report266.html

Vol.103 中途採用者の人事評価

https://medical-takt.com/backnumber/2018/report281.html 

Vol.116 スタッフの退職金を考えよう

https://medical-takt.com/backnumber/2018/report310.html

Vol.120 スタッフの集団退職!?

https://medical-takt.com/backnumber/2018/report320.html 

Vol.122 有給休暇はいつでも取れるのか!?

https://medical-takt.com/backnumber/2018/report322.html 

Vol.124 男性スタッフを採用する覚悟

https://medical-takt.com/backnumber/2018/report324.html

Vol.130 仕事のできるスタッフ不要論

https://medical-takt.com/backnumber/2018/report342.html

Vol.142 人事評価は「エコひいき」

https://medical-takt.com/backnumber/2018/report366.html

Vol.145 就業規則と解雇

https://medical-takt.com/backnumber/2018/report376.html

Vol.150 「掛け持ち勤務」のスタッフの言い分 

https://medical-takt.com/backnumber/2018/report387.html 

Vol.153 キャリアアップ助成金の活用

https://medical-takt.com/backnumber/2018/report396.html 

Vol.155 求人市場『今昔物 語』

 https://medical-takt.com/backnumber/2018/report399.html

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

本格的なコンサルティングの前に、専門家によるノウハウをWEB上で体験して頂けます。無料版ではありますが、先生方の経営の意思決定に役立つ内容をご提供したいと考えています。個別相談にも対応していますので、登録のご検討を宜しくお願い致します。

【無料コンサルティングレポート】登録はこちらから

 → https://medical-takt.com/mail.html

【個別の経営相談に関する問い合わせ】

 → info@medical-takt.com

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

本稿のバックナンバーは、メルマガ運営サイト「まぐまぐ」にも【トラブル発生!!クリニック事件簿】として掲載しています。

 

 (運営会社)株式会社レゾリューション

クリニック奮闘記

クリニック奮闘記

本当は知りたい失敗談!!

世の中に成功体験は数多くありますが、苦労話や失敗談を見聞きすることはあまりありません。クリニックの中で実際に起こった、先生方がこれから経験するかもしれないトラブル事例をエッセイ風に読みやすくまとめてみました。
成功ノウハウを真似るのは難しいですが、失敗のリスクを予見し、軽減することでクリニック経営を安定させることができます。本稿では思いがけないトラブルが連発しますが、「他山の石」として実際の経営に活かしてください。

バックナンバー一覧

クリニック専門
コンサルタントに
お気軽にお問合せ下さい

pagetop