Vol.120 スタッフの集団退職!?

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2018.04.23

Vol.120 スタッフの集団退職!?

私がこれまでコンサルティングをしてきた医療機関の中で、スタッフ全員で経営者(院長)に対して直接的に、様々な要求について団体交渉してきたケースが何例かあります。要求の中には、正当性のあるものもありますが、殆どの場合は「わがまま」とも取れる内容が圧倒的に多い様に感じています。問題のある度に経営者(院長)は対応に追われ、眠れない日々を過ごしていらっしゃいます。そんな経営者(院長)の悩みを、実例を基にして、対応方法を検証していきたいと思います。

 

80歳になったA院長は、クリニックを第三者に継承することにしました。相手先のドクターは同門の後輩なので、関連病院との連携もストレスなく引き継げるため、事業承継はスムーズに進んでいます。個人診療所なので法的義務はないのですが、スタッフも全員、継続雇用することにしました。これは、スタッフ教育にかける時間を省くことと、長年クリニックを受診してくれている患者に安心感を抱いて頂くための配慮でもありました。

 

A院長は、クリニックの継承が正式に決まったことをスタッフに発表し、重ねて新院長のサポートをスタッフ全員にお願いしました。数日して、あるスタッフがA院長に、相談があるからと面談の申し入れをしてきました。

 

スタッフ「長年、Aクリニックで院長に仕えてきましたが、新院長についていくつもりはありません。ス

     タッフ全員で退職するつもりでいます。」

A院長 「それは困るよ。引継ぎは来月に控えているから、今から募集をかけるにしても時間がなさすぎ

     るよ。何とか考えてもらえないだろうか。」

 

他のスタッフから漏れ聞こえて分かったのですが、どうやら給料を上げてもらうための交渉のつもりだった様です。基本的には新院長とは再雇用契約の形になりますので、現在の雇用契約に縛られることはなく、あくまでも話し合いで決めていくことになります。新院長は、スタッフ全員を再雇用できるがベストではありますが、辞めるスタッフもいるだろうと考えていました。スタッフの代表が全員で退職すると言ってきましたが、どうしたらよいでしょうか?

 (まとめ)

スタッフの代表として団体交渉してくることは、何回も経験してきました。一瞬ギョツとするのですが、「全員」といっても一枚岩であることは稀です。殆どのスタッフは声の大きいスタッフに隠れて意見を言うことをしませんので、個別面談で本音の部分を確認してみましょう。本来、継続雇用する義務もありませんし選別する権利が、こちらにもあります。数人の退職者は出ましたので、急遽、スタッフの募集を行いましたが、体制には影響するものでもなく、無事に新院長への事業承継は完了しました。

 

メディカルタクト 代表コンサルタント  柳  尚信

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