Vol.190 問題スタッフの退職後の動向

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2018.07.30

Vol.190 問題スタッフの退職後の動向

他人の芝生は青く見えるもので、よそのクリニックは働きやすそうに見えるものです。今回は、訪問看護ステーションを立ち上げようとしているクリニックの院長から、引き抜きの打診があり、給料につられて退職したスタッフのその後についてお話ししてみたいと思います。転職したことが本人にとってよい結果になったのでしょうか?ちょっと見てみることにしましょう。

 Aクリニックで働いている、看護師のBさんは非常に仕事熱心なのはいいのですが、時に自分の仕事の領域を飛び越えて、医師の判断領域に飛び込んでくることがあります。本人に悪気はなく、クリニックの収益のため、業務の効率化のためという思いからなので、院長としても少々困っていました。そんなBさんに、あるクリニックの院長から、訪問看護ステーションの立上を手伝って欲しいと打診がありました。ステーションの管理者が未熟なこともあり、ナンバー2としてサポートして欲しいというのです。給料も今のクリニックの30%増の提示を受けています。Aクリニックでは自分の働きは評価されておらず、安い給料で働いているという意識がついため、時間を空けずして転職を決意したのです。A院長としては、問題のあるスタッフではありますが、仕事にひた向きなBさんには期待していたので、留まる様に何度も説得しました。しかし、その甲斐なく転職することになったのですが・・・。

 

転職先の訪問看護ステーションでは、ナンバー2の待遇で迎え入れられ期待に応えられる様に頑張っていたのですが、鼻っ柱の強い性格が災いし、他のスタッフとの衝突が絶えません。もちろん本人は職場のことを思っての言動なのですが、伝え方も宜しくなかったようです。現場での衝突は、やがて院長の耳にも入る様になり、期待されて入職したBさんではあったのですが、院長の信頼も失われていきます。その後、暫くして残念ながらBさんは訪問看護ステーションを退職してしまいました。風の噂でBさんのことを知ったA院長は、仲の良かった看護師を通じて復職の打診をしてみました。その時の面談内容をご紹介いたします。

A院長「訪問看護ステーションでは頑張っている様子は聞いていたのだけど、残念な結果になってしまった様だね。」

B看護師「他の看護師との関係が上手くいかなくて・・・・。」

 

A院長「Bさん、このクリニックにいるときも、自分の価値観で判断して仕事をすることがよくあったよね。何回か注意したけど改善しなかった。ステーションの看護師と上手くいかなかったのも同じ原因だと思うよ。」

 

B看護師「良かれと思ったんですが・・・・。」

 

A院長「職場はチームで動いているんだよ。人に自分の意見を聞いてもらおうと思うのであれば、自分から胸襟を開いて、まず話を聞いてもらえる関係をつくることが大事だよ。我を通さずに周りと協調するのなら、もう一度、一緒に働く機会を与えるよ。」

 

B看護師「先生、改め直しますので、もう一度、宜しくお願いします。」

 

(まとめ)

こうしてB看護師は、Aクリニックに復職することができました。A先生は日頃からBさんの問題行動を分析していました。退職後にも同じ問題を起こすだろうと予想はしていた様です。寛容なA先生はBさんが、少し研修に行っていた程度に考えおくことにした様です。

 

メディカルタクト 代表コンサルタント  柳  尚信

 

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