Vol.131 クリニックモールの連携はどこまで可能か?

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2018.05.08

Vol.131 クリニックモールの連携はどこまで可能か?

単独で開業する場合と異なり、クリニックモール(医療モール)の場合は、診診連携において様々な可能性を秘めています。複数の診療科の受診が可能になっているクリニックモールは、患者にとっても利便性の高いモデルであると言えます。本稿では、クリニックモールの連携の可能性について、医療者側と患者側のそれぞれの目線で検証していきたいと思います。

 

『共同待合、総合受付を設けコンシェルジュが対応』

分譲マンションにもよく見られるコンシェルジュを配置するサービス。初診時には、どのクリニックを受診するのか振り分けを行います。(病院の受付のイメージです)個々の患者について、保険情報や問診票データを各クリニックに転送します。守秘義務の問題がありますので、来院患者にはクリニックモールとして個人情報の取り扱いルールの告知が必要です。

法律的な問題があるため、ここでは現金の授受は行うことができません。共同待合の設置によりクリニック内の待合スペースは最小化されることになりますで、賃料負担の軽減にもつながります。

『共通予約システムの運用、共通診察券』

クリニックモール内で、共通の予約システムと、共通の診察券を使用します。待合室には各クリニックの予約状況や順番を表示したモニターを設置することで、患者の待ち時間の負担感を軽減しています。共通診察券は複数のクリニックを1枚で対応可能なため、患者にとっても利便性が高いものとなっています。

『検査機器の共同利用』

1番大きな投資としては画像系のモダリティが挙げられます。画像診断クリニックが併設されていれば効率は最大化されますが、最低限の連携としては、整形外科のレントゲン装置、内科でエコーの運用が考えられます。診療報酬(コスト)の算定については、モダリティを所有しているクリニックにて請求しますが、依頼側のクリニックとは予め委託契約により決められた利用料に基づき支払う様にします。

 

『広告宣伝費の効率化』

・ホームページの活用

各クリニックのホームページについては、個別で作成しても差し支えありませんが、クリニックモール全体のポータルサイトを作成します。そこでのSEO対策を施すことにより、広告効果の最大化を目指します。

・看板掲示料

クリニックモールとして集約した形の看板設置が可能で、単独で製作するよりも大きなスペースを確保できます。看板製作料や掲載費用を各クリニックで案分することになりますので、コストをおさえることも可能です。

『迅速な医療連携』

専門外の傷病となると、紹介状を作成し他院を紹介することになりますが、クリニックモール内で対応できる内容であれば、近くに主治医がいるため患者の安心感にもつながります。クリニックモール内の構成にもよりますが、高齢者対応型としては『内科、整形外科、眼科』、小児を中心とした構成であれば、『小児科、皮膚科、耳鼻科、婦人科』が好ましいとされています。課題としては、各クリニックで処方される薬剤情報の共有化が挙げられます。

『電子カルテ及び画像データの共有』

システム的には可能ですが、個人情報の取り扱いやシステムメーカーの取り扱いに障壁がある様です。詳しくは次回お話ししていきます(Vol.132 クリニックモールにおけるシステム連携)

『送迎バスの運用』

クリニックモール専用の送迎バスの運行。コスト負担が多きいため、十分な検討が必要ですが、患者の利便性と広告効果も検討した上で決めていきましょう。

 

メディカルタクト 代表コンサルタント  柳  尚信

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