2018.03.22
クリニック奮闘記
Vol.98 初期対応には全力で取り組む(クレーム処理)
仕事をしていく上で、誰しもパーフェクトを目指していますが、不可抗力によるものやヒューマンエラー
によるトラブル(クレーム)は一定数発生してしまいます。トラブルを起こさない様に、業務マニュアル
等で標準化していくこととは前提として必要なことですが、発生したときの初期対応のスピードが、結果
の良し悪しに影響すると言われています。
理解はしてても諸般の事情で遅れ遅れになることもあります。本稿ではクレーム発生時の初期対応の重要
性を実際にあった事例をもとに検証していきたいと思います。
受付「往診に行っている施設から、〇〇さんが熱発していると電話が入っています」
電話対応の後、
院長「解熱剤を処方することにしたから、かかりつけ薬局に処方箋を届けてきてくれる?」
受付「わかりました。直ぐに届けてきます」
患者の急変を告げられましたが、院長の迅速な対応で、ひとまず解決したかに見えましたが・・・。受付
スタッフは処方箋を直ぐに薬局に届けてなかったのです。
やがて施設から督促の電話が・・・・
受付「あっ!すいません。直ぐに対応します。」
院長「どうしたの?」
受付「受付患者が途切れた時に、薬局に処方箋を届け様と思っていたのですが、患者が切れず・・・、放
置してしまっていました。すいません。今から持っていきます。」
院長「施設には私から電話をいれておくよ。」
(まとめ)
院長は過去の経験から、クレーム発生時は、初期対応のスピードと誠実さが重要であることを理解してい
ました。スタッフへのクレームはクリニックに対するクレームでもあり、最終的には院長である自分自身
へのクレームであると認識しています。
状況を把握した時点で直ぐに施設に電話連絡の上、患者の容態を確認しました。幸い重篤にはなっていな
かったため、当初の指示通りで事なきを得ました。午前診療が終わるタイミングでもあったので、薬局か
ら薬を受け取り、院長と薬剤師、そして電話を受けたスタッフと三人で施設に伺います。
先生が訪問診察してくれたことに対して、患者とその家族、そして施設のスタッフから不満は消え去り、
安堵の表情を浮かべています。
家族「先生、わざわざ診察して下さって有難うございました。」
院長「いや、直ぐに薬をもってこなかった私が悪いんです。大事に至らなくてよかったです。」
初期対応の早さと誠実さが、コミュニケーションロスの修復に貢献したのですが、患者の状態がそれほど
悪くなかったことは幸運でした。
補足ですが、院長が当事者であるスタッフを随行させたのは、直接、様子が診れない患者に対して、直ぐ
に薬を届ける様にという医師の指示の重要性を、スタッフが理解していなかったことを分かってもらうこ
とにありました。
メディカルタクト 代表コンサルタント 柳 尚信
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