Vol.101 久しぶりの来院「変わりありませんか?」

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2018.03.27

Vol.101 久しぶりの来院「変わりありませんか?」

クリニックを長くしていると、馴染みの患者が多くなってきます。特に高齢者の場合は、毎日の様にクリニックに来院する人も少なくありません。そんな高齢者も来院してこない時もあります。医療機関なので顔を見ないのは元気な証拠ともいえますが、スタッフとしては、少し気になる存在であったりもするのです。本稿では、久し振りに来院した患者に対するスタッフの対応について、少し可笑しなエピソードを交えてお話しさせて頂きます。

 

 Aクリニックでは初診時(再初診時)に看護師が問診を取ることになっています。高齢者が多いクリニックでは患者に記入させるのではなく、スタッフが話しを聞き取りながら問診票に記入していく方が効率的でもあります。

 

看護師「あら、○○さん。お久しぶりですね。今日はどうされました?今から少しお話しさせて下さい

              ね。」

 

こうして看護師は患者の問診票を作成し、診察前に電子カルテに、その内容を転記するのが仕事になっています。診察前、〇〇さんのカルテを開き、問診内容を確認しようとしたA院長は、思わずその内容に吹き出してしまいました。

 

A院長「〇〇さん、久しぶりだけど、今日はどうしたんでしょうね。高血圧の薬も無くなってると思うん

              だけど・・・。この問診票には診察に必要な情報が何も記載されてないなぁ。」

 

実は看護師が作成した問診票には「変わりなし」と記載されていたのです。電子カルテを開けば既往歴や薬歴もわかります。以前は高血圧で5年程通院しており、最近の3ケ月は足が遠のいています。何もなければクリニックに通院してくることはないはずで、体調がすぐれないから受診に来ているのだと考えるべきです。そうすると当然、「変わりなし」という記載がオカシイことは言うまでもなく、既往歴を見れば、もっと別の問診の取り方もあったと思われます。

 

(まとめ)

処置室に看護師用に電子カルテを設置しているクリニックの場合、問診票、バイタル、血液検査データ等の入力を看護師が事前入力していることがあります。診察前に必要な情報が入力されていることが前提ですが、問診内容については看護師の能力差により内容にはバラツキがあります。事例の様な笑い話はレケースではなく、あちこちのクリニックでよく聞く話です。せっかく看護師用の電子カルテを設置しているのですから、診察の効率化と質の向上に貢献する様に活用していきたいものです。事例は極端な例かもしれませんが、義務的に問診し、義務的に電子カルテに入力するだけなら、システムが生きていきません。電子カルテには患者の病気に関するあらゆる情報が記載されています。患者のためによりよく活用されるためにも、その運用方法を今一度、見直してみましょう。

 

メディカルタクト 代表コンサルタント  柳  尚信

 

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