Vol.138　朝礼で何を伝えるか |クリニック奮闘記|メディカルタクト

2018.05.17

クリニック奮闘記

Vol.138　朝礼で何を伝えるか

先生方のクリニックで朝礼は行っていますか？おそらく殆どのクリニックでは、朝の挨拶もそこそこに、仕事が始まっているのではないでしょうか。一方、企業においては規模の大小を問わず、朝礼は当り前の様に行われています。この風土の違いは何なのでしょうか？そもそも朝礼をする目的は？その効能は？と問われると、どれくらいの方が明確に回答できるでしょうか。本稿では、クリニックの開業以来、欠かさず朝礼を行っているクリニックをご紹介したいと思います。朝礼の雰囲気や運営方法を学ぶだけでなく、10分間の朝礼に込めた院長の思いについても触れていきたいと思います。

Aクリニックは開業して30年、地元では老舗クリニックとしてその名を馳せています。地域患者だけでなく、スタッフとの信頼関係も深く、非常に人望の厚い院長です。そんな院長も、ここに来るまでに様々な苦労をしてきました。特にスタッフとの関係性については今でも悩むことが多いのですが、関係を良好に保つために「朝礼」に工夫をしています。

スタッフA「みなさん、おはようございます。各部署の連絡事項を確認します。」

外来看護師「本日の予約患者、9時〇〇さん、10時△△さん、栄養指導は3件です。」

訪問看護　「昨晩、〇〇さんの熱発で、常備薬のカロナールを服用し落ち着いています。」

デイケア　「本日、ケアマネージャーの〇〇さんからの紹介で3名の体験が入っています。」

受付事務　「4月の報酬改定に伴う施設基準の認可が出ました。」

この様に各部署からの業務連絡で始まり、必要な情報が院長に報告されていきます。スタッフ数が増えてくると、顔を合わせる機会も減るので、朝礼は最低限のコミュニケーションの場として機能しています。そして、Aクリニックでは、院長の発案で朝礼にひと工夫があります。一日の始まりを気分良くスタートできる様にと、「うれしかったこと」「楽しかったこと」「美味しかったスイーツ」など、自分だけでなく周囲の人も喜ばせる内容をスピーチで発表するのです。型にはまったお堅いテーマではなく、日常のちょっとした出来事をテーマに一言二言で発表するだけなので構える必要もありません。明るい気持ちで仕事に向かおうとするA院長の姿勢を反映させたものですが、スタッフ全員で幸せを共有しようとするこのスピーチは、「ハッピーシェア」と呼ばれ、今日もAクリニックの朝礼で行われています。

メディカルタクト代表コンサルタント　　柳　　尚信

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