Vol.128　予約システムに負けないアナログ対応！ |クリニック奮闘記|メディカルタクト

2018.05.03

クリニック奮闘記

Vol.128　予約システムに負けないアナログ対応！

前項ではクリニックにおける待ち時間の発生原因について解説いたしました（Vol.127　待ち時間が発生する原因はどこか？）。クリニックによって問題解決のアプローチは異なりますが、受付での混雑を解消するツールとしては「予約システム」の導入があります。一般的には順番予約のためのシステムであり（診察時間を約束できる専門外来などは時間予約が可能）、診察を待つ場所がクリニック外にあるというだけで、待ち時間の根本的な解消にはなっていません。この様なシステム運用であるなら、システムに頼らずアナログ対応で十分だと考えるクリニックをご紹介していきます。さて、どれ程、効率的に業務が流れていってるのか見てみましょう。

Ａクリニックの受付スタッフＢ子は、キャリア20年の大ベテランです。医療事務（レセプト請求）だけでなく、患者対応（受付対応）は若手スタッフも憧れる程、素晴らしいものがあります。そんなＢ子がＡ院長に重宝がられている能力の一つに、患者の待ち時間対策があります。予約システムや自動会計システムの様を用いず、アナログで対応する能力を買っていろのです。

Ｂ子「●●さん。今日は混んでいるから、今からだと2時間位になると思うわ。家は直ぐ近くよね。一旦、

おウチで待ってもらった方がいいと思うの。後で電話でお知らせしますね。」

こうして混雑する待合でなく、一旦帰宅することを勧めています。

Ｂ子「〇〇さん。番号札をお渡ししておきますね。裏に目安の診察時間を記入しておきますね。」

Ｂ子「△△さん。今日は遅くなりそうだけど、明日の朝一番は如何ですか？お薬はまだあるかしら？問題

なければ順番お取りしますね。」

Ｂ子「■■さん。辛そうですね。看護師さん呼んできますね。」

看護師「処置室のベッドが空いているから、そこで休んでいましょう。」

こんな感じで来院患者に対応していきます。

（まとめ）

マニュアル通りに患者対応するのではなく、臨機応変な対応のお手本の様なスタッフです。Ｂ子さんは決して特別なことをしているのではなく、「人」を見た対応を心掛けているに過ぎないのです。受付システムを導入しても最終的に運用するのはスタッフです。システムを導入することで業務がスムーズに流れることも事実ですが、医療機関（病院、クリニック）に必要なホスピタリティが何であるかを考えてみれば、システムでは不十分なサービス（対応）が見つかるのではないでしょうか。システムが補完できる業務が、期待した内容であるか否かは検証してみた方がよいかもしれません。

メディカルタクト代表コンサルタント　　柳　　尚信

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