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2018.11.16

Vol.257 "主任"というポジションについて

世の中の企業の一般的な階層は、主任、係長、課長、次長、部長、取締役・・・・となっています。それぞれの役職に応じて業務における責任範囲が明確に決められているだけでなく、情報の質量も異なっています。数十人の同期社員が切磋琢磨し出世競争の中から選ばれていく役職者は、業務実績や人格能力などを総合的に勘案して決められていきます。役職により給料が上がっていきますので、昇進することへのモチベーションも働きます。病院では企業の様な人事がされていますが、クリニックではどうでしょうか?主任という肩書のリーダーの存在もありますが、果たして実態は機能しているのでしょうか?あるクリニックの事例をみて検証していきたいと思います。

 

Aクリニックには医療事務部門の"主任"と、看護部門の"主任"がそれぞれ並列に任命されています。スタッフ数が20人を超えるため、まとめ役がいなければ院長の負担が大きくなるのです。では、それぞれの"主任"の働きぶりをみてみましょう

【事務主任】50歳

医療事務のベテラン。部下の勤怠管理だけでなく指導にも熱心である。後進を育てることも自分の仕事だと考え、研修の企画も積極的に行っている。院長の信任も厚く、10数名の事務スタッフを一つにまとめている。

【看護主任】60歳

民間病院20年勤務の大ベテラン。臨床能力が高いことを院長に見込まれ、看護部門の主任に選任されている。しかし本人は職人的な気質があり、仕事はするが周囲との協調性に欠けるところがあるため、チームとしてまとめる能力は不足している。他のスタッフに対しても無関心であることが多いため、経験の浅いスタッフの安全管理が課題である。

 

(まとめ)

階級、階層がしかっりとできている企業では、職責に対する理解が自他共になされている。望んでいない職責であっても、"地位が人を育てる"という言葉がある様に、組織に応えようとする動機付けが働きます。これに対して、クリニックの様な組織体制が脆弱な事業所では、職責に対する理解が薄いことがあります。望んでこの立場にいるのではないと考える"主任"がいることは否めない。院長の直接の指導が必要なのであるが、"主任"を任命した後はお任せのことが多いため、機能不全になりがちである。事例の場合、事務主任は企業での勤務経験があるため、組織に対する考え方がしっかりとできていますが、看護主任の場合はそうではありません。もともとが職人気質である上に、管理者としてのトレーニングを受けていないばかりか、その自覚もないのです。院長から言われたから"主任"の立場にいるだけなのです。院長としては責任者の任命も仕事ですが、それぞれの職責のスタッフが自覚を持って働いてもらうことが最終目的です。現場スタッフの指導は主任に任せするにしても、管理職(主任)は自らが指導しなければならないと考えて下さい。

 メディカルタクト 代表コンサルタント  柳  尚信

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成功ノウハウを真似るのは難しいですが、失敗のリスクを予見し、軽減することでクリニック経営を安定させることができます。本稿では思いがけないトラブルが連発しますが、「他山の石」として実際の経営に活かしてください。

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