Vol.264 採用後に辞退してくるスタッフ |クリニック奮闘記|メディカルタクト

2018.11.28

Vol.264 採用後に辞退してくるスタッフ

このコラムの中でもクリニックの人材確保の難しさは再三お話ししてきた通りです。採用する側の事情としては、スタッフが揃わなければ、業務ができないということがあるため、応募してきたきた人を、順番に採用していかなければならない事情もある様です。本来であれば、面接時にクリニックに必要な人材を厳選したいところですが、背に腹をかえられないところもあります。本稿では、スタッフの採用に関しての苦労話のご紹介をさせて頂きます。

Aクリニックでは慢性的な看護師スタッフの不足の解消のために、常時求人広告を出しています。（※無料求人サイトがあります）ハローワーク、看護協会などコストのかからないサイトを活用していますが、そのうちの一つから応募がありましたので、早速面接を行います。

A院長

「病院勤務の後は、介護施設での勤務が長いんですね。クリニックは初めて・・・・。」

看護師

「はい、老人医療に携わりたかったものですから。手技に不安があるのですが、大丈夫でしょうか？」

A院長

「点滴、注射については勉強しながらでいいですよ。では来週から勤務してもらえますか？制服を用意しますから、サイズを見てもらえますか？」

看護師

「有難うございます。頑張りますので宜しくお願いします。」

A院長

「ところで、他の医療機関に面接の予定はありますか？」

看護師

「いいえ面接の予定もありません。」

技術的に不安はあるものの、正看護師でもあるし戦略にはなるだろうと考え、即決で採用を決めました。そして次の日、その看護師から一本の電話が入りました。

看護師

「先生、他のクリニックの面接も受けたいので、あと一週間待って頂けないでしょうか？」

A院長

「面接の予定はなかったはずだけど？」

（まとめ）

A院長がとれる選択肢としては、『連絡があるまで採用を留保する』『採用を白紙撤回する』『強引に来てもらう様に説得する』の３つです。

相手の意思を考えると強引に・・・・は選択肢からは外れます。となると答えは二択です。最終的にA院長は、『採用を白紙撤回する』ことにしました。一旦、採用を受諾していながら、自分の都合を優先するところに違和感を覚えたからです。

「採用後にもわがままがでてくるかもしれないな？」という危惧が払拭できなかったのです。看護師の言い分としては、"雇用契約の締結"をしていないからという理由で、個人の自由だと主張します。ここでは法律的な解釈は避けますが、この様に考える人は少なくはありません。雇う側の防御策としては、採用決定時に"承諾書"等を取り付けることでプレッシャーをかけることはできると思いますが、最終的には本人の気持ち次第ということになりますので、高速料はそれほど強いものではありません。採用時のリスクとして想定されることなので、ご紹介させて頂きました。

（参考）

e-ナースセンター

https://www.nurse-center.net/nccs/

メディカルタクト　代表コンサルタント　　柳　　尚信

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