Vol.267 試用期間後が終了したスタッフへの対応

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2018.12.03

Vol.267 試用期間後が終了したスタッフへの対応

スタッフと雇用契約を結ぶ場合、"試用期間"を設定しているクリニックは多いかと思います。3ケ月程度の期間が一般的ですが、ではこの"試用期間"は実際のクリニックの現場では、どの様に取り扱われているのでしょうか? あるクリニックの事例をもとに検証していきたいと思います。

 

A耳鼻咽喉科クリニックはオープンして3ケ月を迎えようとしています。スタッフは数名の経験者が取りまとめてくれたおかげで、大きなトラブルもなく何とかやってこれました。患者数も予想してた人数をはるかに超え、A院長もホッと一息つけた感じがしている様です。これからスタッフミーティングを行うのですが、テーマは雇用契約の継続についてです。

 

A院長

「この3ケ月間、頑張ってくれて有難う!皆さんにお力添えを頂いたお陰で、何とかここまでやってこれました。今日は、皆さんとの雇用契約についてお話しをしなければなりません。」

 

こう前置きをした上で、後日、スタッフと個別面談を行いました。殆どのスタッフは正式雇用するのですが、どうやら試用期間で終了したいスタッフがいる様です。

 

契約終了を言い渡されたスタッフは、納得がいかない様子です。というのも、対象になったスタッフというのは、実経験豊富な事務スタッフだったからです。

 

スタッフ

「どうして私は試用期間で終了なんですか!レセプト経験者は私だけです。残ったスタッフだけでできるとは、到底思えません!」

 

A院長がこのスタッフと契約をしない理由は次の通りです。

・他のスタッフにレセプトを教え様とせず、自分ひとりで業務を行っている

・自分が一番だと思う気持ちが強く、協調性に欠けるところがある

・紙レセには対応できるが、パソコンスキルが低いため電子カルテについていけていない

 

(まとめ)

医療はチームで行います。院長ひとりではクリニックは運営できません。看護師、事務スタッフが揃ってはじめて機能します。クリニックの様な小さな組織では、協調性がないスタッフは仕事ができたとしても害になります。本人は"レセプトの知識"を売りにしている様ですが、院長には響いていません。事務処理レベルのことであれば、電子カルテで全てが完結します。レセプトの知識は必要ではありますが、絶対条件ではないのです。今回対象になったスタッフは、そこに気が付いていませんでした。医療現場で求められるスキルは変化してきています。ハードはお金を掛ければ解決しますが、サービスを提供する立場のスタッフ(ソフト)はそうはいきません。院長の考え方、方針にそぐわない場合はチームのメンバーからは外れてもらった方がいいでしょう。

 

 

 

 

メディカルタクト 代表コンサルタント  柳  尚信

 

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