Vol.283 退職させたいスタッフ |クリニック奮闘記|メディカルタクト

2018.12.26

Vol.283 退職させたいスタッフ

人手不足の昨今、苦労して採用したスタッフですが、残念なことに"辞めて欲しい"と思える人がいます。就業規則には『解雇』に関する要件が明記はされていますが、実際の運用としてはかなりハードルが高いものになっています。本稿では、"辞めて欲しいスタッフ"と院長の奮戦記をご紹介したいと思います。

A院長は受付スタッフのBさんの対応に頭を抱えている様です。ずば抜けて他のスタッフよりも仕事はよくできるのですが、それが災いしているのか、協調性が全くなく、患者からのクレームも一番多いのです。再三にわたって院長は注意しているのですが、一向に改められる様子がみえないのです。

A院長

「最近は同僚の看護師さんと上手くいっていない様だね。」

Bさん

「患者さんからのクレームを伝えただけです。」

A院長

「そうかもしれないけど、君には問題がなかったというおかね？」

Bさん

「この前のクレームは看護師さんに対するもので、私のミスではありませんから！」

話をする態度もケンカ腰です。目を合わせることもなく、体を斜めに向けて院長と話をしています。これには流石の院長も腹に据えかねて・・・・・・。

A院長

「Bさん、あなたはこのクリニックにはふさわしくない様だね。経営者である私の言うことが聞けないのなら、辞めてもらえないだろうか？」

とうとう院長は最後通牒を言い渡してしまいました。これにはBさんも驚いた様子で、言葉を失ってしまった様です。

（まとめ）

退職勧奨は、労使双方が協議して"労働契約を解約"することを目的としています。あくまでも話し合いが原則です。スタッフが受諾しないことも当然あり得るのです。本稿の事案の場合は、最終的には、30日分の手当の支給と、退職金の割り増しをすることで自主的に退職してもらうことができました。人事評価や処遇については、客観的にみて、社会通念上妥当であるか否かが問われてきます。プロセスや手段を間違えると、損害賠償の対象にもなりかねませんので、慎重に臨むことをお薦めします。

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メディカルタクト　代表コンサルタント　　柳　　尚信

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