Vol.333 スタッフの言動がおかしい？ |クリニック奮闘記|メディカルタクト

2019.03.15

Vol.333 スタッフの言動がおかしい？

『パワハラ』を正義の御旗に自己防衛するスタッフがいる様です。叱られるのは誰でも嫌なものですが、仕事を行っていく上でミスは付き物です。また上司から指導やアドバイスを受けることも必要です。ところが『パワハラ』を恐れるあまり、注意することだけでなく、指導すら行われにくくなっている様です。クリニックの事例を基に対応方法を考えてみたいと思います。

Aクリニックでは５０代のベテラン事務員の下に、２０代と３０代のスタッフが4名います。古参のスタッフの役割として、若手の指導と事務スタッフのとりまとめを院長から仰せつかっています。

スタッフB（リーダー）

「レセプトの返戻について打合せをしましょう。保健証番号や生年月日等の基本的な間違いが散見されるけど、担当の2名はダブルチェックする様にして下さい。」

スタッフC（部下）

「ダブルチェックしてますよ！最終チェックをするBさんの仕事はどうなんですか？強制されるいわれはないですし、それってパワハラなんじゃないですか？」

Bさんは、仕事を円滑に進めていくためにメンバーに注意喚起をしたのですが、受け入れるどころか"逆ギレ"されてしましました。この様なやり取りが日常的にあるものですから、Bさん（リーダー）は何も言うことができなくなってしまっています。見かねた院長は、スタッフ全員を集めて緊急ミーティングを行うことにしました。

A院長

「最近、リーダーの言うことを聞かないスタッフがいる様だけど・・・」

スタッフC、D、E

「納得できないこともあるんですよ。そういう時は意見することもあります。」

こんな感じで院長の考えに対しても"異を唱える"スタッフたち。チームとして仕事を行うことを大切に考えている院長は、スタッフに次の様に伝えました。

院長

「Bさんは私がリーダーとして選任しています。当然、皆さんに注意・指導することはあります。それに異を唱えることは許しません！」

（まとめ）

『パワハラ』そのものは許されるものではありませんが、それを楯に逃げることも許されるものではありません。A院長が伝えたかったのは、Bさんは仕事に対する"気付き"です。医療は人相手の仕事です。気配り、心配りができない人には適していないと考えています。Bさんの指導注意の本質的な意味を理解しようとしない姿勢に対して、医療人としての危うさを感じていたのです。この後、ギクシャクした雰囲気は残りましたが、相手の立場や考えを理解しようという姿勢は少し出てきた様に感じています。

代表コンサルタント　　柳　　尚信

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