Vol.322 看護師の採用決定は速やかに |クリニック奮闘記|メディカルタクト

2019.02.28

Vol.322 看護師の採用決定は速やかに

医療機関では、看護師を始めとする有資格者の採用には苦戦を強いられています。そもそも求人を出しても応募がなかったり、面接をしても他のクリニックに取られてしまったりということは当り前です。いい人材どころか頭数を揃えることすら困難な状況です。本稿では、看護師の採用に苦労しているクリニックのお話しです。

Aクリニックでは、この度、看護師の求人を急遽行わなければならなくなりました。ご主人の急な転勤で他県へ引っ越しすることが決まった様なのです。来月からはシフトに穴が空いてしまうため、A先生は急いで求人広告を出すことにしました。

急ぎの求人であるため、確実に採用するためにコストをかけることも止む無しです。ネット広告では、上位検索に引っかかる様にオプション契約。またフリーペーパーと新聞折り込みにも掲載し、求人広告の露出を最大限に考えました。その甲斐あって、3名の看護師の応募がありました。履歴書の職歴を熟考した結果、介護施設の勤務しか経験のない看護師は不採用とし、残りの２名と面接をすることにしました。2人の看護師は甲乙つけがたく、A院長は採用を即答できかねていました。３、４日の猶予を貰って返事をすることにしていましたので、その間、ゆっくり検討しようと考えていました。検討の結果、一人の看護師に電話で採用の連絡をしたところ、他のクリニックに決まりましたと返事が返ってきました。残念がっている暇もないため、直ぐに、もう一人の看護師に連絡を入れてみたところ、こちらも他の病院で勤務が決まったとのことです。幸い？書類選考で不採用にした看護師が来てくれることになったため、マンパワー的には充足させることができましたが、何分、臨床経験の浅い看護師であるため、戦力的には大幅なダウンは否めません。

（まとめ）

看護師の採用に関しては、即断即決が望まれます。面接にきた人は、複数の医療機関（病院、医院）の面接を受けていると考えなければなりません。実務能力に余ほどの問題がなければ採用した方がよいでしょう。本稿の事例の場合、A院長は、どちらか1名の採用にこだわりましたが、思い切って２名とも採用することも選択肢の一つではあったでしょう。人数的にダブついてしまうことへの恐れもありますが、採用後にシフトの調整を検討してみましょう。人件費のコストアップを嘆くよりも、診療上の安心、安全に配慮した方が先生方の心理的なストレスが軽減されるのではないでしょうか？

採用決定を伝える際には、『採用』することを明確に伝え、具体的な出勤日についても決めておいた方がよいでしょう。メモ書きでもいいので、その場で書き記したモノを手渡すようにして下さい。

代表コンサルタント　　柳　　尚信

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