Vol.377　役員退職金の支給限度額は？

医療法人の役員の場合、退任時に役員退職金を受け取ることができます。一般的には生命保険を活用し、在任期間中に積み立てをしていきます。では退任時には退職金としてどれくらいを受け取ることができるのでしょうか？本稿ではポピュラーな考え方をご紹介したいと思います。

 

Aクリニックの院長は70歳を迎えます。クリニックの後継者としては、ご子息（40歳）が就任することになっています。今日はリタイアの際の退職金について顧問税理士と打合せをする予定になっています。

 

A院長「5年後にクリニックを息子に譲ろうと思う。私には退職金が支払われると聞いたの

だが、いくら位もらえるのかな？」

 

税理士「一般的な考え方は、最終月額報酬に役員でいる在任期間を掛けます。さらに役職により功績倍率というものを掛けて計算します。」

 

A院長「具体的には、いくらになるのかな？」

 

税理士「現在の院長の役員報酬が月額200万円です。医療法人になってから20年になりますので、それをもとに計算するとこんな感じになります。」

200万円×20年×3.5倍＝1億4000万円

税理士「医療法人の理事になっている奥様も同様に退職金を受け取ることができますよ。」

 

A院長「そうすると結構なお金が手元に入ってきますね。」

 

税理士「毎年利益も出してますし、生命保険でも積立してますので、支払うお金は貯まって

ますよ。」

（まとめ）

医療法人の役員退職金の支給限度額は以下の通りです。功績倍率は役職によってもことなりますので、一例を以下にあげておきます。

・退職金支給限度額の計算

『退任時の最終報酬月額×役員在任期間×退任時の役職による功績倍率』

・役員の功績倍率

理事長3.5倍　理事2.8倍　非常勤理事2.0倍

 

メディカルタクト　代表コンサルタント　　柳　　尚信

 

 

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