Vol.209　メールでの業務連絡

仕事には指示を出す側と、業務を請け負う側が存在します。ビジネスの世界の常識ではあるのですが、受託者は発注者に対して業務完了の報告をもって、ようやく完了することとなります。一般的には口頭で直接の報告が原則ですが、メールを始めとするITツールでの報告も想定されます。本稿では、メールによる業務報告の注意点をご紹介したいと思います。

 

A整形外科はクリニックの外来部門とは別に、デイケアを運営しています。事業部門は2つに分かれますので、スタッフ間のコミュニケーションで問題になることもしばしばあります。口頭での連絡が原則なのですが、お互いが忙しい中でのやりとりなので、メモやメールでのやり取りも必然的に増えてきます。言った、言わないのトラブルも日常茶飯事ですが、よく問題になるのは、メールでの業務報告が正確に伝っていないことが上げられます。要するに、発信者の意図が正確に相手に伝わっていないというのです。

 

【看護師Bさんのメール】　

外来で通院中の〇〇さんの件で相談があります。変形性膝関節症で通院されており、通院時は同居の娘さんと一緒に来院されています。機能訓練を希望されており、院長も、その趣旨でデイケアの利用を勧めています。デイケアスタッフのサポートをお願いします。

 

ごく普通の業務連絡なのですが、メールの受け手によっては内容の解釈は様々です。趣旨としては、デイケアの利用を前提に、導入からサポートをお願いしたいということで、現時点では院長も利用を勧めてはいるものの決定ではありません。看護師Bさんとしては、必要に応じて『お試し利用』を促すことを期待しているのですが、メールの受け手は、決定していないのだから『待ちの状態』を堅持しています。その結果、利用者（予定者）は放置されることとなり、クリニックの仕事としては貫徹されていないことになります。

 

（まとめ）

口頭であれば、その都度、内容確認することができますが、メールの場合は文面の情報が全てです。言葉足らずがあれば、それ以上の判断材料がありません。だからといって、ダラダラと説明の多い文章では読む方も大変です。メールで的確に意思を伝えるときのコツは、以下の通りです。

・要件を一言で簡潔に表現すること

・相手に行動を促す場合は、期限を明確に設定すること

 

つまり、相手に期待することに期限を付けて伝えることです。文章に装飾が多くなると、論旨が分かりづらくなりますので、簡潔明瞭に伝えることを意識しましょう。

 

メディカルタクト 代表コンサルタント　　柳　　尚信

 

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